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【映画の雑記】ゴッドファーザーの冒頭の結婚式に込められた3つの意味

 先日、「ゴッドファーザー」を久しぶりに観ましたので、すごいなと思った点を書きます。有名すぎる映画なので、今更説明する必要もないですが、米国マフィア映画の代表とも言える作品です。因みに観たのはゴッドファーザーの1です。

結婚式のシーンを冒頭に入れた理由

 映画の最初の方に、ドン・コルレオーネの娘の結婚式のシーンがあります。この映画において、結婚式を冒頭に入れたのは、三つの理由があると思いました。

 

 一つ目は、登場人物の紹介を違和感なくできるということです。映画を見る観客のために、登場人物の関係性などを説明しなければなりませんが、結婚式ということなら、「あいつは誰だ」とか「あいつは親戚なのか」みたいな台詞が自然と出てきます。それに答えるだけで、違和感なく関係性を説明できます。

 

 二つ目は、ファミリーの影響力の大きさを説明できることです。結婚式には、広い敷地に政財界などから様々な要人が出席しています。これを見るだけで、コルレオーネファミリーが強い力を持つ組織ということが分かります。

 

 三つ目は観客が新婦へ共感しやすくなることです。新婦のコニーは、カルロという男性と結婚するのですが、これがまぁよろしくない男性です。物語の中盤になると、度々悲しむコニーが描かれます。冒頭に素晴らしい結婚式のシーンを入れることで、その落差によって、より観客がコニーへ共感し、カルロを軽蔑するようになります。

 

 この他に終盤で葬式のシーンがあります。これもおそらく監督が慶弔の対比を入れたかったのだろうと思いました。もちろん結婚式はカラフルですし、葬式は白黒なので、色の対比にもなります。

 ゴッドファーザーは「コルレオーネ」という一族を描く人間ドラマでもあるので、結婚と葬式という、重要なライフイベントを入れる必要があったのかなと思います。

 

 初めてみたときは、最初のシーンのドン(マーロン・ブランド)の強面の見た目と猫なで声とのギャップに驚いたり(猫なで声の方が逆に凄みが出る)、馬の首に驚いたりしていました。

 見るたびに注目する点が異なるのは、やはり名作映画の証なのではないかと思います。