【西洋絵画】印象派隆盛のきっかけとなった3つの理由
印象派はモネやルノワール等の画家の作品で有名です。風景や市民の生活が彩り鮮やかに描かれており、単純に絵そのものを直感的に楽しむことができます。歴史や神話等の知識が不要なため、日本人にも親しみやすく、西洋絵画の中でも人気のジャンルです。
因みに、印象派の名前の由来は1872年にモネが描いた「印象-日の出」という作品から来ています。
モネ「印象-日の出」
今日は、印象派が栄えるきっかけとなった3つの理由を紹介します。
1 油彩絵具の発達
19世紀半ばに、チューブ入り絵の具が考案されます。これにより、画家は屋外での制作が容易になりました。それまでは、屋外でスケッチをして、それを基に屋内のアトリエで制作していましたから、制作の手間が省かれただけでなく、より質の高い描写が可能となりました。
2 カメラの登場
19世紀後半にカメラが普及してきます。これは画家の生命を脅かす危機でもありました。依頼者を忠実に描く、肖像画が不要になってしまうため、画家は事物を正確に書くことに代わる、新しい表現を模索する必要がありました。
もっとも、カメラを危機として捉えず、自らの芸術に活かそうとした画家もいます。その筆頭がドガです。
例えば、「競走馬」では右端の馬が見切れていることに、写真の影響を見ることができます。
また彼は、カメラを使って動きの一部分を切り取り、躍動感のある作品を多く生み出しました。特に、バレリーナをモデルとした作品を数多く残したことで有名です。
ドガ「競走馬」
ドガ「エトワール」
3 日本の浮世絵
1867年のパリ万博(大政奉還と同じ年です)に、幕府は、日本の浮世絵を出品しました。立体的な絵を追求してきた西洋の画家達は、平面的なタッチの中に鮮やかな色彩を用いた浮世絵に驚きました。浮世絵はたちまち話題となり、画家に大きなインスピレーションを与えました。これは「ジャポニズム」とも呼ばれ、印象派画家がこぞって日本風の絵画を残しました。
以前の記事でも少し記載しましたが、当時の若手画家は新古典主義の旧態依然とした体質からの反発を求めており、新しい表現を模索していた中で、浮世絵がヒットしたのです。
歌川広重「名所江戸百景 大はしあたけの夕立」
モネ「ラ・ジャポネーズ」
印象派の絵は、予備知識がなくとも感覚的に楽しむことができます。そのため、西洋絵画を好きになる端緒となりえます。ここから派生して、宗教やギリシャ神話等にも興味を持つことで、西洋絵画の森へ入ることができます。
目下のところ、私も勉強中なので、このブログにてアウトプットしていけたらと思っています。
どうぞよろしくお願いします。