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【映画の感想】アンタッチャブル

 先日、映画「アンタッチャブル」を見てきました。1987年のアメリカ映画です。

トーリー

 禁酒法時代のシカゴは、アルカポネとその子分のギャング達に牛耳られていました。シカゴを浄化するために、カポネ逮捕に奮闘する捜査官チーム「アンタッチャブル」とそのリーダーである財務省の役人ネスの活躍を描きます。なお、ネスは実在の人物であり、彼の自伝を基にした映画です。老警官役のショーンコネリーがアカデミー賞助演男優賞を受賞しています。エンリオモリコーネの音楽とジョルジオアルマーニのスーツ、シカゴの街並みも見所です。

 

感想と見どころ

  • 最後のシーンでの、ネスの粋な台詞

 当時は本当にギャングの力が強く、警察や政治家もギャングに買収されており、機能していませんでした。そのような中で、ネスはカポネ逮捕のために財務省からシカゴ警察へ出向してきます。

 ネスは赴任早々、警察官一同に「禁酒」を命じます。「法規たる我々が、遵法しなくてどうする」ということです。飲酒は違法でしたが、警察たちはこっそり、ギャングが密輸した酒を飲んでいました。ネスへの風当たりは強く、当初は四面楚歌のネスですが、信念を持って仕事をする中で仲間を得て、「アンタッチャブル」を結成します。

 ネタバレになるので詳しいことは書けませんが、チームは艱難辛苦を乗り越え、カポネを逮捕することができました。逮捕後に記者からインタビューを受けるのですが、ネスの返答がとても粋です。本当に格好いい。この台詞のためだけでも、映画を見る価値があります。

 

  • ネスの気概

 当時は警察さえもギャングの味方でした。そのような状況でシカゴに乗り込み、カポネを逮捕しようとするわけですから、当然自分や家族に危害が及ぶことは分かっていたはずです。妻と子供はすぐに引越しをさせますが、それでも単身となった身で、自らの信念を貫き、職務を全うしようとする気概に敬服します。

 余談ですが、ネスは財務省からの出向で相当のエリートだと思われるのですが、それを示すシーンがあります。赴任早々、市議会議員が賄賂を渡して懐柔しようとするのですが、ネスは歯牙にもかけず、「古代ローマでは官吏を買収しようとする者は耳を引きちぎられ、袋に詰められて川に流されたぞ」と一蹴します。アメリカの一流大学では学生にリベラルアーツを叩き込むそうですから、さらっと古代ローマを持ち出すことに、ネスの教養の一端が垣間見えた気がしました。これが「教養」なのだと感服しました。

 

  • 引き込まれるカメラワーク

 理髪されるカポネを真上から写す冒頭のシーンから一気に映画に引き込まれます。一瞬にして、カポネの只者ではない感がひしひしと伝わります。また、自宅にいる老警官を襲うギャング目線でのカメラワークや、階段での銃撃戦のスローモーションは手に汗握ります。カメラワークも素晴らしい映画です。

 

  • アルカポネのカリスマ性

 ロバートデニーロ演じるアルカポネの渋みがたまりません。カポネはシカゴの全てを手中に収めていた男です。裁判に被告として出廷しても、動じることなく葉巻をくゆらせます。行動の節々まで余裕を見せる男のカリスマ性は一見の価値があります。

 

 

 私は午前十時の映画祭で見たのですが、映画評論家の町山智浩さんが午前十時の映画祭のリーフレットで「アンタッチャブル」を、大スクリーンで観るために作られた絢爛たるスペクタクルと評していました。

 本当に映画館で見るべき映画だと思いますので、ぜひ劇場へ足を運んでいただければ幸いです。